ども、@kimihom です。
今回は私の好きな本を一冊紹介する。私はこの本を読むたびに号泣するのでティッシュが必須である。
- 作者: 坂本光司
- 出版社/メーカー: あさ出版
- 発売日: 2008/03/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 33人 クリック: 509回
- この商品を含むブログ (125件) を見る
従業員を最初に幸せにする
会社には色々な関係者がいる。従業員、従業員の家族、下請け企業、顧客、取引先、株主。。その全部が当然幸せになればいいことである。では、この中で、誰が一番最初に幸せにならなきゃいけないのか。好循環のループを生み出せば、最終的には全員が幸せになれる企業が作れるはずである。
本書では「従業員」こそが最重要であると説いている。会社で笑顔で働く従業員が増えれば、心から自信を持った商品を顧客に提案することができる。それがやがて企業の信頼を生み、顧客や取引先に良い影響を与え、最終的には株主に還元される。そのループの始まりはいつでも従業員である。
では従業員を満足させるために給料を上げればいいのか。いや、実際のところはそうではない。とある企業満足度アンケートによると、給与よりも働きがいやお客様との良好な関係に重きを置いている人が多いとのことである。それは最低限の給与があれば、欲求5階層説の"社会的欲求" 以上を求めているからだろう。物が溢れかえっていつでも好きなものが手に入るようになった時代において、自分が世の中に必要とされているという感覚こそが、働きがいを生む。
インターネットの世界では、どうしてもそのユーザーに使われている、必要とされている感覚ってのが味わいづらい。ログやデータベースを眺めれば、どれだけサービスが使われているかとかは把握できるけど、それは単に PC から見れる"情報"に過ぎないので、現実味を感じることができない。ここをなんとかするには、実際に使っていただいているユーザーに会ったりすることが大事な気がした。それによってユーザーから必要とされているサービスだと実感できて、従業員の心も満たされるのではないか。当然それ以外にも従業員が幸せになる何かについて考えていきたいと思った。
この"従業員を大切にする"って意味で、有名なチョークの製造企業のエピソードが本気で泣ける。この内容はぜひ本書を読んでみていただきたい。本を読んで泣くって滅多にないから初めて読んだときは衝撃だった。
日本でいま、本当に必要とされているものは何だろう?
以前のポッドキャストで、ゲーム作ってる場合じゃないという話で盛り上がったのだけど、実際に本当に日本で必要とされているものは何だろう?本書でも登場してきたキーワードが、ポッドキャストでもあったように “医療・福祉・介護” だった。その中で、義足などを製造している島根のど田舎の企業があって、オーダーが殺到する日本中から必要とされている企業だそうだ。
これはサービス開発の時にも参考になる話だと思う。以前から私の記事では、「あったらいいな」のサービスではなく「なくては困る」サービスを作ろうと書いてきた。日本の少子高齢化の中で今でも困っているものが確実にあるはずで、その課題を解決しながらも、従業員の満足度が非常に高い企業こそが日本で大切にしなければならない企業になりうるのではないだろうか。
そして素晴らしい企業はどの企業にも競合にならないような商品を試行錯誤を凝らして作り続けている。こういう企業努力って実際はあまりやられていないように思う。利益が十分に上がっている何かがあれば、それにしがみつき、ずっとそのまま流れに乗るような部署が多いのではないだろうか。
では、インターネットの世界において、どの企業にも競合にならないような商品を作るにはどうすれば良いか。それは1つのテクノロジーを極めることで見えてくることだと思う。誰だって作れるようなサービスってのはすぐさま競合が現れる。そうではなく、「今持ってるこの技術を応用すれば、あんなこともできるな」という先見の明を持ち、それを試行錯誤で作り続けることではないかと思う。そうすれば世の中に本当に必要とされるサービスを持つ企業が生まれていくのだろう。
終わりに
私自身、まだまだ目の前の事業に精一杯でその先の行動ができていない。しかしやがては本書にあった日本でいちばん大切にしたい企業と肩と並べられるようになりたいと思う。
本記事であげた特徴の企業は、会社の従業員が多かったり、給料が高かったり、上場したりするよりも立派なことだと思う。従業員/顧客/関連会社/地域社会から必要とされる企業。それこそが愛される企業の条件だ!