ども、@kimihom です。
今回は以下の本を読んだので感想とやっていきたいことみたいなのを書いてみる。かなりいい本だったので、モチベーションに関して興味ある方はぜひ読んでみることをオススメする。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 文庫
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労働に対する考え方の変化
モチベーション 3.0 とあるからには、1.0, 2.0 があるわけだ。ざっくり言うと、生きるために働いてきた1.0 と大量生産のためのマニュアル化/機械化を推し進めてきたのが2.0だ。
3.0 はどんな時代背景があるのか。それは単純作業だけでまかり通っていた 2.0 から、より創造的な仕事が求められてきていることが背景にある。私たちの人間の仕事はより高度になり、より柔軟な発想が必要な仕事がこれからもどんどんと増えていく。そんな中、今の日本の企業は 2.0 的な考え方の企業が多すぎるように思う。
3.0 の特徴は、個人の意志を大切にする企業文化だ。自由な出勤時間、何でも自由に開発できる時間を設ける、一人一人の所属意識でなくオーナーシップ、上司は部下を管理しない。ここで面白い実験内容があったので本記事でも概要だけ紹介したい。
とある学生の集団を AとBに分けた。Aはその作業をすると報酬が与えられると事前に約束され、Bは特に何もアナウンスをしないで作業をしてもらった。誰でもできる頭を使わない単純作業を A, B それぞれにやらせたところ、Aははりきってその仕事をすぐに終わらせた。今度は頭を使う創造的な課題をやらせたところ、今度はBの方がAよりも早く課題をクリアすることができた。
これは、まさに人参の目の前にぶら下げた馬のような表現だ。目の前に人参しか見えない馬は、その人参のためだけに走って正しい道を選ぶことができないのである。そして人間でもこの目の前に人参がぶら下がっているのを追い続ける人たちが後を絶たない。
モチベーション3.0 はその先を見なければならない。今目の前にある利益ではなく、今努力した結果生まれる利益だ。それが続く限り、人はどんどん大きく成長し、今まで辿り着けなかった利益を得ることができるのである。
良い目標と悪い目標
目標に向かって努力するモチベーションは当然大事だ。しかし、良い目標と悪い目標があって、いとも簡単に誤解するので注意したいところである。さて、皆さんがお持ちの目標は、以下のどちらだろうか。
- フランス語の授業でAをとる
- フランス語を話せるようになる
一見、具体的で到達可能な目標だとして 1 を選びがちだ。それはそれで良いとされることもある。確かに、1 でも Aを取るという目標のためにテスト期間に頑張ってフランス語を勉強することはできる。しかし問題はそこからだ。 1 の場合、Aを取った途端に露頭に迷うことになる。もはや次の目標が見つけられないため、次のテストまではフランス語とは一切関わらないことだろう。しかし、2はあくまでテストは通過点に過ぎないので、テストが終わってもフランス語の勉強をコツコツと続けていくことだろう。この違いがやがて大きなものとなって、最終的には 2 の目標を選んだ人が成功を掴むのである。
これは企業にも同じことが言えるだろう。営業目標や利益目標などを掲げて目の前の数値だけを追い続ける人がいる。数字にとらわれて、その数字目標を達成するためなら手段を厭わないような、そんなやり方だ。それは結果的に不正を招くことになる。なぜなら数字を達成できないとわかったら、何が何でも達成させようと、"どんな手段を使ってでも" という考えに陥ってしまうからだ。 しかし、理念ベース、つまりフランス語を話せるようになるといった企業目標に向かっていればそんなことは決して起こらない。なぜなら、そのような不正をしてしまっては結局自分に返ってくることを知っているからだ。テストでカンニングしたところで、フランス語は上達しないのは当たり前だろう?フランス語を話せるようになる目標にしているのに、そんな不正をすることに全く意味はないのだ!
達成したら次の数値目標を掲げてブラック企業としてがむしゃらに働く姿勢が日本では評価されている傾向がある。しかし、もうそんな気合い論は時代遅れであることを知るべきではないだろうか。
漸近線を描く目標を考えよう
最終的にどんなに近づいても達成することのできない目標を掲げること。どんなに成長しても、まだまだ自分は成長できると信じ続けること。それが私たちをより高みへ連れていく。
それは、誰かからとやかく言われるようなものではない。自分が心から達成したいという理想の状態を見つけ、それに向けて努力を続けるのである。その努力は自ら沸き起こるモチベーション3.0なので、ずっと続くもので、他の誰よりも良い結果を生むことだろう。
それは地味で辛く険しい道でもある。それを知った上で続けることができれば、尽きることないモチベーションを持ったまま、成長し続けられる仕組みを得ることができる。
終わりに
最近、私がぼんやり考えていたことが、そのまま明文化されていたような本だった。
本当に成功している企業ってのは実はこのような社員のモチベーションを最大限に引き出す仕組みを既に活用していて、人海戦術な古来の方式を取る企業のその先を行っている。
もちろん、モチベーション2.0 のような仕事を続けるのも良いだろうけど、私はモチベーション3.0のような、主体的な行動が推奨されるような、そんな仕事を続けていきたいと思う。だからこそ、自らを磨き続けることの重要性を知り、終わることのない自分の理想に向けて努力を続けていく次第である。