ども、@kimihom です。
サービスをゼロから作り上げて、そのあと顧客を抱えて運営を続ける。サービスを育てていく期間の中で、開発者にとって喜びが得られる瞬間ってのはいくつかあると思っている。今回はこの長いサービス開発/運営の期間の中で、個人的に嬉しかった瞬間を挙げていきたい。
1, サービス構想を思いついて実装する瞬間
「これはいける!」というアイディアやテクノロジーに出会った瞬間の気分の高揚は未来のワクワク感がある。今持っている自分のスキルをフル活用して、どうすれば最終的にサービスとして作り上げるまで持っていけるか。そんな構想をしている時間は実に楽しい。ハッカソンなどの開発コンテストの良さはここに集約されていると思う。
私はこの段階でデメリットやリスクは全く考えないようにしている。とにかく良い点を見つけてそれをより良くするために方法はないか。そんなポジティブな側面からサービスを考えるようにしている。なぜなら、ここでリスクやデメリットを探そうとしてしまうとチャンスがその時点で終わってしまい、そこから先が続かないからだ。私は今まで "開発はできるけどネタがない" もしくは "アイディアはあるけど開発ができない" と言い訳を続けて何も行動しない人をたくさん見てきた。そういった人たちの特徴はこのデメリット探しが得意な人のように思う。ここのハードルの時点でサービスがそもそも出来上がらないってのがほとんどかもしれない。
んで幸運にも開発できるスキルと時間を持っていた場合のみ次に進むことができる。意気揚々と設計して開発している間は良いんだけど、今度は一通り自分の思い描いた機能を開発し終わったら途端にやる気をなくす現象が発生する。このハードルもとても大きく、ゼロから作ってうまくいくサービスがほとんど出てこない原因の一つだ。
だから、サービス構想を思いついて意気揚々と開発し終わった後、次の喜びを見つけなくてはならない。
2, 最初の"本当の"顧客を見つけた瞬間
本当のとつけたのには理由がある。大抵はサービスを作り上げてローンチしてやっていくぞとなった時は、友人を始めとした誰かからの力を借りたりすることで仮の顧客を獲得することはできる。それは別にあまり嬉しくなくて、サービス改善の途中くらいにしか思わない。 しかし、本当に課題を抱えてやってきてサービスを導入し、有料顧客になってくれた。この瞬間は特別な気持ちになる。作ったサービスに対してお金を払うってことは、それだけの魅力を感じてくれたということだし、品質や管理を期待してくれているということの裏返しだ。この瞬間を体験すると、より良いシステムを目指そうという気持ちが改めて芽生えることになる。
この喜びを感じずにスタートダッシュをかけてしまう企業を多く見る。ローンチ記念だとかで一気に広告かけたり無料キャンペーンでガッと獲得しにいくことだ。この時点でそれをするってのは、自分たちの原点を見つけることを難しくさせる。事業がうまくいかなくなった時に露頭に迷うことになる。
そうじゃなくて、"最初に獲得した顧客を最高に幸せにしたい"という思いを最初に持つことで、その後もブレないサービス開発を続けることを可能にさせるだろう。この考えを持てるようになれば、最終的に利益を目標にするのではなく、顧客を幸せにすることを目指すことができる正しい企業になることができるはずだ。
やがて、同じような課題を抱えていた顧客は自分からその評判を聞きつけてサービスにやってきてくれる。この好循環を生み出せた時、その次の喜びを味わうことができるようになる。
3, 顧客に会う瞬間
1,2 こそサービス開発をゼロからやる醍醐味だと考えている方がいるかもしれない。実際に私も 1,2 を達成することを夢見てサービス開発を続けていた。でも、それ以上にもっと嬉しい瞬間があることを知った。
先日、私の運営するサービスのユーザーさんが一堂に集まるイベントを開催した。十数人のこじんまりとしたイベントだったけど、全ての参加者は自分のサービスを使ってくれていて、さらにイベントまで足を運んでいただいたのだ。一部の方は既に問い合わせ対応などで話したこともあったから初めてという感覚でもないけど、それでも新鮮な気持ちとして話すことができた。自分のサービスに対する想いを伝えたり、現在の利用状況や要望など、サービスの未来について語り合うこの時間は率直に言って最高だった。
ユーザーさんの中で、実際に自分のサービスを使ってどうやって事業を伸ばしてきたか。どういう思いで使っているか。どんな良いことがあったか。そんな話をイベントの中で登壇して頂いて話を聞く瞬間はサービスを作った側からすると涙が出るレベルで嬉しい。この喜びは 1,2 では味わうことができないほどのものだ。それはきっと、長い時間をかけて努力した結果だからだと思う。
終わりに
給料が上がった、昇給したなんて社内だけの自己満で本当にいいのか?
本当の喜びはそこにはないはずだ。ユーザーのためにサービスがあって、誰かに貢献しているという思いが大事だと思う。その上で達成するための近道はあるんだろうけど、手を抜いたら近道した分だけ幸せは生まれない。いかに地道な努力を続けることを大切に思えるか。そこがサービス開発者の喜びが得られる得られないかの分岐点だ。
開発アイディアがある > 開発ができる > 顧客を見つけられる > 顧客が自ずと集まる仕組みが作れる > 顧客がサービスを愛してくれる
3を達成するには、上記の全てのハードルをクリアしなければならない。もちろん難しいことだけど、やる価値があるほどの喜びを最終的に味わうことができる。なぜならそこまで達成するのは本当に難しく険しい道のりだからだ。
だからこそ、辛い時でも目的を見失わないようにするために、サービス開発当初の想いは大事だ。熱い想いで生まれたサービスはきっとユーザーにも響くはずだ。
てことで変に近道をしないで本当にいいサービスを生み出す努力のできる企業が今後も増えてきて欲しいなと思う。