ども、@kimihom です。
サービスをローンチすると、他の方から "競合Aとは何が違うの?" といった質問を受けたりすることがある。また、サービス開発をしている中で、"競合Bはこんな機能があるからうちも欲しい" とか、 "競合C には絶対に負けない" といったような判断をする方がいる。私がそうした競合を意識したサービス開発をすべきではないと思う点について記す。
サービスを作り始めた想いを見失う
なぜあなたがサービスを作ろうと思ったのか? その想いの根本は、あなたが持ち続けなければならないものである。その想いこそがサービスにおいて唯一無二の独自なポイントであり、他者が絶対に真似することができない点だ。例え他に似ているサービスがあったとしても、他の誰でもない"あなた"が持っているあなたなりのモチベーションなのである。
競合を意識し出したら、その想いが薄れてきた証拠だと言えよう。最初から自分の持つ想いが薄すぎた可能性もある。どちらにせよ競合を意識するってのは自分の想いが薄くなっている状況であり、好ましい状態だとは言えない。そして、他者から答えを得ようとする。そんなんで得た答えに一体何の意味があるのだろう。あなたなりのサービスだったのが、そこら辺にあるようなサービスに移り変わっていくのも時間の問題だ。
参考にすべきは競合ではなく顧客の意見である。顧客が感じている課題があるのなら、それを解決するように努力するのがサービス開発者ってもんだ。大抵の場合、その意見ってのは新機能ではなく、既存機能の使い勝手の悪さやわかりづらさだったりする。そういう意見を大事に持って、自分なりの答えを出し続ければ、競合の存在なんてどうでもいいのである。
自分で考えた答えじゃなくなる
競合を意識したサービス開発をすると、それに影響を受けて一つの答えが出てくる。果たして、それで導き出された答えは本当に自分で考え出した答えなのか?競合をヒントにして自分なりに考えたってのは、競合から出した答えに過ぎない。その判断は 100% 間違っていると断言できる。
なぜなら、自分や顧客から意見が出てこなかったってことは、そもそもサービスにおいて必要となるものではないはずだからだ。もし本当に必要だったのなら、自ずと要望や課題として湧き上がってくるはずで、それに向けてどう解決すべきかを自分で調べて実行しているはずなのだ。それができないってことは、自分たちの努力不足に過ぎない。
本当に自分で考え出した答えでないと、サービスがどんどんブレていく。そしてそのブレた開発をユーザーはすぐに感じるとるだろう。
真のオンリーワンを目指し続けたサービスだけが、最後まで残り続ける。決してその努力は無駄にはならず、独自性や強みとしてサービスに反映されていくことだろう。
サービス開発が勝ち負けの世界になる
競合を意識するってのは、サービス開発を勝ち負けの世界に持ってき始めている恐れがある。
でも、サービス開発に勝ち負けなんて存在しないのだ。競合より儲けて人もたくさん雇えれば、それで勝ちなのかといったらそうではない。サービス開発は単純なゲームではないはずだ。
改めてなんでサービス開発を始めたのかを思い返してみよう。
サービス開発の目的を売却や上場などの金儲けのためにやっている人がいるけど、それはやってはならないことだと思う。実際にめちゃめちゃ成功した人が、最初からそんな目的でやっていたはずがない。サービス開発を始めた理由をちゃんと理解し、それに忠実に実行し続けた結果として、あくまでそうした成功を得られたってだけの話だ。単にトレンドに乗っかって起業しました的な人や、金儲けや有名になりたいから起業しましたみたいな人は全く応援する気になれない。
自分のペースでコツコツと着実に前へ進んでいこう。近道なんてのを探ろうとしてはいけない。自分の決めた道こそが正しい道なのである。そうして自分を信じ続けられた人だけが、最終的には本当の成功を得られると信じている。
終わりに
今回はサービス開発でありがちなミスの一つである、「競合を意識する」ことについて想いを記した。
競合を蹴散らそうだとか、競合よりも大きくなるだとか、そんなことを考え始めるのは無意味だし不幸の元だ。自分たちとユーザーが幸せになることだけを考えて、本来のサービス開発の目的を実現させよう。巷でニュースに出てくるような「成功」ってのは、その先に得られた結果に過ぎない。
そんな想いを持った人の作ったサービスを使いたいし、共にサービス開発していきたい。
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