サービスの伝え方 を学ぶ
ども、@kimihom です。
最近は色々な Web サービスが Twitter や Facebook、Google などに広告を出している。そんな中で感じた点と、今回読んだ本について記す。
What を伝えるのは誰でもできるし、誰にも響かない
今回読んだのが以下の本だ。私はもちろん英語バージョンでね。
英語
Start with Why: How Great Leaders Inspire Everyone to Take Action (English Edition)
- 作者: Simon Sinek
- 出版社/メーカー: Portfolio
- 発売日: 2009/10/29
- メディア: Kindle版
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日本語
- 作者: サイモン・シネック,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本
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んで本書の中で印象に残るマーケティングメッセージについての例が印象深く残る。あなたが興味を引くメッセージはどちらだろうか、考えてみてほしい。
私達は素晴らしいコンピューターを製造しています。 美しくデザインされシンプルでユーザーフレンドリーなものです。 一ついかがでしょう? 5GB 容量の MP3 プレイヤー
私達は現状を変えることにチャレンジしています。私達は異なる考え方を信じています。 現状を変えるために私達のプロダクトを美しくシンプルでユーザーフレンドリーなものにしています。 お一ついかがでしょう? あなたのポケットに1,000曲
「そりゃ2つ目の方でしょ」ってこれを読んだだけだとほとんどの人がそう思うことだろう。だが実際に世の中にありふれている広告メッセージはどうだろう?ほとんどが1つ目の単なる What を伝えるメッセージで広告として単に流れで流されるだけのものになっている。
What は誰でも考えられるし、誰でもお金さえ出せば広告を出せる。だからありふれているのである。Why まで考えられた広告が少ないのは、単にそこまで深く考えていないからだ。マーケティング担当者がそこまで考えてプロダクトについて伝えられないし、伝えようという熱意もそこまでないことが多い。本気でマーケティングをしようって思ってる企業はマーケティング社員を雇うことはしても最後には社長自らが真剣に考えてマーケットに向けたメッセージを作り出している。単にほとんどの企業がそこまでやってないってだけだ。
そもそも あなたのサービスに Why は存在するか?
大事なのは Why である。優れたサービスには必ず優れた Why が存在する。なぜなら、それがなければすぐにぐちゃぐちゃバラバラなサービスとなって顧客は寄りついてこないからである。単に流行ってるからだとか金儲けしたいだとかいうモチベーションの人には到達できない領域だ。
その Why を社員だけでなく、利用ユーザーまで届いていることも重要な条件である。そしてそれを裏切らないような開発やメッセージを送り続けていることが必要だ。誰かにあーだこーだ言われたとしても、No と伝えこだわり続けられるか。そうした意志の硬いサービスってのは案外少ないものである。
人が多くなればなるほど、Why の維持が難しいことは想像に容易い。社員が多くなれば、それをまともに考えずに単に給料のためだけに働く人が出てくるし、投資家などから資金を受け入れたら、Why を時間かけて考えるより金儲けして上場しろと言われる始末である(もちろんそうじゃない人もいるとフォローしておく)。それでも Why をブラさずに持ち続けて全員がそれを理解している企業こそが、顧客の期待を裏切らずに残り続ける。
ところでなぜ日本や世界でブラック企業と言われるような会社がトップを走り続けられるのか、私は疑問に思っていたことがある。私の仮説として、それは社長が社員を洗脳して Why をぶち込んでるからだ。大量の人を洗脳させて同じ考え方を染み付かせれば、ブラックでも強いチームになってしまうのである。それが嫌で辞めたいなら辞めればいい。そんな世界なのではないだろうか。
この Why が薄れてきたら、確実に企業は衰退する。会社が一つになれず、バラバラの行動を始めて顧客の期待や想像を裏切ることが発生してくるからだ。
そんな Why が浸透した企業が生み出す広告は強い。本気で寝る間も惜しんで最適なメッセージを考える。それは単なる What だけの広告ではなく、 Why が含まれた熱いメッセージなのである。
終わりに
なぜあなたは今のビジネスをやっているのか?
改めてこの議題について真剣に考えてみてほしい。そしてその考えが社内に浸透しているか。これが薄れてきて単にお金のためだとか言うようになってきたら、あとは堕落へまっしぐらである。
私は自分へ問い続ける。なぜ私は今のサービスを運営しているのか と。